2010年6月2日水曜日

今日の夢は、地方都市

地方都市をさまよう夢(近未来)

どこか人の居ない土地から、人の沢山いる地方都市へ辿り着く。
政府は機能しておらず、街は寂れている。
街にいる人も、どこからか流れて来た人たちで、
携帯電話は、大きい箱に、受話器が付いている。
PCの箱だったり、緑の電話ボックスそのものに取手が付いていて、持ち運べるようになっている。それに長いアンテナが付いていて、それを持っている人がたまにいる。
その電話で「この街はなかなか悪くない」という話をしている人が、ちらほらいる。

街は、昼間は比較的に治安が安定しており、僕はほっとする。
元マクドナルドの従業員が、廃棄されたマクドナルドの店舗でボランティアで街の人たちにハンバーガーを振る舞ったり、どこからかお揃いの衣装を揃えた若者が皆を勇気づける為にヒップホップのダンスをしていたりする。
中には、略奪をして、酒屋からケースごと酒を盗んだりする人もいるけれど、特に争いには発展していなかった。

僕は安心して街を徘徊していると、いつの間にか夜になり、街から子供や女性や老人が消えていて、どんどん治安が悪化してくるのを感じる。
とりあえず明るい場所に行こうと思って明かりを探していると、ショッピングセンターというか、大きなスーパーというかの明かりが目に入り、僕はそこに入る。
腹が減っていたので、酒屋に行くけれど、乾き物しかなく、がっかりする。
すると、女子高生の二人組が、いきなり僕にウォッカをかけてくる。
僕はとっさに避けたけれど、少しウォッカが服につく。
そこで、彼女らが百円ライターを持っている事に気付き、僕は近くにあったテキーラの瓶を割って、二人に思いっきりテキーラをかける。
僕はそこを離れ、レストラン街に行くのだけれど、そこはどの店もヤンキーが牛耳っていて、入れる雰囲気ではない。
でも、どうしても腹が減っていたので、パスタ屋の厨房に入ろうとする。
すると、レジの台の上にホットパンツを履いたギャルがいて、「それ、うちらの食い物なんだけど」と絡んでくる。
店内は、その女の仲間の悪そうな若い男女がたむろっており、ニヤニヤしながらこっちを見ている。
そのホットパンツのギャルが、僕が食品を漁るのを止めようとして肩を叩いてくる。
僕は躊躇なく、そのギャルの顔面を殴り倒す。
すると、店内の男どもが襲ってこようとしたので、掴めるだけの食料を持って逃げ出す。

少し落ち着いた場所で、腹ごしらえを済ませて、またショッピングセンターの中を徘徊すると、40代半ばの体のガッシリした男がゴルフの金属のドライバーを持って歩いてくるのに気付く。
僕は、そのドライバーで頭を殴られたら一発で死ぬな、と思い、少し恐怖するが、男の方から話しかけてくる。「君、何も武器を持っていないようだけど、よかったらこのドライバーを使うかい? 向こうにスキー用品屋があるらしいんだ。スキーのスティックの方がいいと思うんだよね」。
僕は、そこではじめて武装の必要に気付くが、男の提案を断り、自分で武器を探すことにする。
そして、バーベキューや暖炉に使う用品を扱っているコーナーに辿り着き、暖炉用の黒くて長い鉄の棒で、先が二股に尖っているものを二本持って歩き出す。

短いナイフなどを持った悪そうな奴は、僕の武器を見てあからさまに避けて通り、少し安心する。

すると、昼間にくだらないことで揉めた親子と偶然遭遇する。
親は、50代半ばで長い槍のようなものを持っている。
息子は、同じ槍とハンドナイフを持っている。
二人は僕を見つけるなり、いきなり攻撃してくる。
僕はとっさに、父親の方の腹部を突き刺し、致命傷ではないけれど動けなくする。
すると、息子の方が距離を取り、僕めがけてナイフを投げてくる。
ナイフは意外と速く、避ける暇がなかった為、なんとか左下腕部外側で受け止める。
ざっくりと刺さるが、動脈は傷ついていないので、なんとか安心し、痛みに耐えていると、親子は既に勝利したつもりで、椅子に座り、笑いながら僕を馬鹿にしている。
僕はカッとなって、左腕のナイフを引き抜き、親子に向かって投げつけると、特に狙った訳ではないが、息子の頭部に直撃し、人を殺してしまう。

とても嫌な気分になりながら歩いていると、左腕から血がしたたる。
何故かこの街では、怪我人には容赦がないらしく、ヤクザが僕をいち早く見つけ、例の大きな携帯電話で仲間を集めながら、僕を追いかけてくる。
僕はやみくもに逃げるが、上への階段が見つからない。
仕方なく、下への階段に逃げるが、何故か何回も踊り場があり、一向にフロアに着かない。
その間も、どんどんヤクザは迫ってくる。そして、地下からオーケストラのような吹奏楽のような音楽が演奏されているのに気付く。

ようやく最後の踊り場に到着すると、大きな鉄の扉がある。
開けると、そこには観客がたくさんおり、教会の木の椅子のようなものが野球のスタジアムのように斜め下に向かって配置されている。
階下では、高校生たちが『亡き王女のためのパヴァーヌ』を演奏している。
観客席は二段になっており、真下に指揮者がいるのだろうが、その姿は見えない。
僕は夢中になってどんどん下に飛び降りていく。
かなり無茶な飛び降り方をした為、ヤクザをかなり引き離したと思ったのに、ヤクザとの距離は離れない。

最下層に着くと、指揮者が指揮棒を振るっており、こんな状況にも関わらず、観客も演奏者も指揮者も、何も無いかのように進行を進めている。
僕は、指揮者の後ろの観客席を支えている柱の後ろに隠れる。
ふと気付くと、柱の一番下にA4サイズくらいの鉄の扉があるのに気付く。
僕は追われているのも忘れて、武器を置き、ぼーっとその扉を眺めている。

ヤクザが追いつくが、ヤクザたちもその扉を見ると、敵意が無くなったかのように思えた。
少しの間、無言で僕とヤクザたちは、扉を眺めている。
ヤクザの一人に促され、僕はその扉を開ける。
扉を開けると、コンクリートの通路があり、その向こうには平和な現代社会が広がっている。
僕もヤクザも、そこに戻れないのは知っているので、一緒に悲しい気持ちで、小さな扉の向こうの平和を見ている。


暑くもないのに、大量の寝汗をかいて、そこで目覚めた。

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